レバーと私の遠い夜明け(もつ焼き 沼田)

幼いころのレバーの記憶。

含むと口いっぱいに広がる臭気、ざらざらぼそぼそとした舌触り。
唾液に溶け込んで口のすみずみに泥様となって広がったそれを飲み込む。
頬の裏に残る独特のテクスチャーは、時間とともに細胞レベルで膨張しているようにすら感じる。
息をつくたび、鼻粘膜にしぶとく残った臭いで頭の中心がもやもやとする。

この世に生を受けてまだ十年と数えぬこの齢で、なにゆえかような制裁を受けなくてはならないのか。

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おおよその人のレバーに対する記憶ってこういうものではないか。あれは何だったのか。
給食とかならしっかり加熱もしないといけないから硬くてまずかったのか。
そもそも牛豚いったいどちらのレバーだったのだろうか。
栄養価的には豚のほうが鉄分は高いようだけれども。

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それがわずか10年、20年と生き延びたがためにホルモン料理という外食を知り
そこで再会したレバーを恐る恐る口にしたとき、積年の汚名はすすがれるのであった。

特筆すべきは名物つくP。
生のピーマンに自家製つくねを乗せてたべる名物つくP。
このつくねがまた只者ではない。これほど野趣あふれるつくねは食べたことない。

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加えて、あみれば。豚の網脂でくるんだレバー。

ざくっとした歯ごたえの直後口にひろがる肝臓のコク、その渋い後味と粗いキメをまあるく包み込む脂の甘味と舌ざわり。

想像以上に風味が豊かな逸品。

刺し身系は低温調理されたものとして提供されている。生独特のつやっぽい唇当たりや甘みはないかもしれないが、その歯ごたえと味馴染みはホルモンそのもの旨味をぞんぶんに楽しめる。


新宿三丁目に来ると、こうやって飲み過ぎるので道を間違える。

ホルモンの串焼き もつやき処 沼田 - 新宿三丁目/居酒屋 [食べログ]