背後の酒粕

ふと振り返ると、男性は両手いっぱいの酒粕を客に振る舞っていた。

まだ三が日も明けない頃、こんなタイミングでおいしい刺し身など食べられないことはわかっていたけれどもどうしても魚をたらふく食べて帰りたかった一行は、吉祥寺でこちらのお店へ。
f:id:tomofumi1981:20160216200828j:image
香りのたった胡麻豆腐がお通しに供され、高まる期待。さて肝心のお魚、確かに正月という時期はわるかったろうが、その状況下で工夫をなさっているところがしっかり伝わるラインナップに気分は充足。
f:id:tomofumi1981:20160216201209j:image
 
さて実は、日本酒を語るスタッフに沸る高い体温が伝わってくるこちらのお店。
f:id:tomofumi1981:20160216200839j:image
 
情報の刺さり方で舌の感覚が変わってしまう人間の性。じゃないとパンケーキやらフレンチトーストやらあんなに流行る道理がない。しかしながらそんな刺さり方の部分だけかんがえて、お店なんて味じゃなくてPR次第だよなんて言い切ってしまうのも寂しいもの。 ここみたいにスタッフが語り尽くせない日本酒への思いを述べてくれる店なんてそんなに出会わない。体温が目を通じて伝わるお店こそ、通いたくなる。「酒粕いっぱいあるから持って帰ります?」そんな初めて聞くようなフレーズがこの日は効いた。そんな思いを噛み噛みしながら味わうのどごしは、他のミーハー日本酒推し系居酒屋とは一線を画していた。
 
f:id:tomofumi1981:20160216202550j:image
 
数ある中から気になって気になって仕方がなかった「げんげの丸干し」のゆるーい身質を口内でほぐしながら酒を呷った幸せ。