空きっ腹に海苔

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手に負えない記憶の罠

ラーメン 萬馬軒 (新宿)

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新宿二丁目の交差点、歩道にはみ出すように出ていた様子と呼び込みのおじさんの独特のテンションに惹かれて入ってみた。味噌ラーメンにバターをトッピング。味噌ラーメンは大抵野菜を炒めて作るのが多いためか遠慮のない熱さがあるイメージが強い。こちらの味噌ラーメンもやはり熱々だった。

味噌は、醤油や塩とちがってフレーバーの変化があるのが良い。一口目口にした瞬間の塩っぽい強いフレーバーが、麺をすすって咀嚼し飲み込んだあとにはまた別のどこか華やかな香りとして鼻に残る。野菜がたくさん盛られていたが、その水気に全く負けない塩気もフレーバーも力強い飲みがいのあるスープだった。
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記憶に残ってしまったがために美化された味というのが誰にでもあるのではないか。記憶を頼りに手を尽くしてもどうしても思い出の味にたどり着かないというのなら、それを口にしたときのシチュエーションを再現するべきだろう。
自分が時折思い出すのは、味噌を付けた手で結んだおむすびである。味噌で結んだおむすびというのが初めてだったがそれだけとは思えない、鮮烈な味覚の記憶が残っている。小学生にあがったかどうかのころ、夏に毎年帰省する母の故郷で、汗ばむ日に立ち寄ったクーラーもない病院のなか働いていた母の古い知り合いの女性がたしか出してくれた。その日は大人のスケジュールで1日移動する日で、持って出かけるおもちゃもなく退屈きわまる中で出された味噌おむすびだった。汗で塩分を失っていたこともあいまってよっぽど沁みる味わいだったにちがいなかったと思う。空腹や退屈を自分のペースでコントロールできる大人となった今、その味が再現できないのも当然なのかもしれない。