汝、心を炒めるなかれ

元祖ニュータンタンメン本舗

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ラーメン屋に入ることを決意する前に、その日のうちに再度ラーメン屋に相伴せざるを得なくなるようなことが本当に無いのかを深慮すべきである。それでも尚、止むを得ずいずこかで暖簾をくぐるようなことがあれば、炒飯がメニューにさえあれば気持ちは幾分か休まる。これが、ミニチャーシュー丼やら、ねぎ温玉ごはんやら、のり明太ライスやら、いわゆるミニ丼系しかなかった場合は、大抵、それ単品で注文ができなかったりもして、仕方なく一番スタンダードなラーメン、もしくは、先時とは趣向を変えて油そばやつけ麺で、などとさほど今日はもう麺類など食べたくもないのにという気持ちに目隠しをして券売機で後ろの客を気にするなど、なるべくなら避けたい事態を招くものである。時間が夜なら餃子やビールで、お茶を濁すこともあろうが、そうするとなぜか単品でラーメンを頼むより値が張ったりもし、急に我に返って遣る瀬無さとともに店内に響く客客々々の絶え間ない啜麵音が頭蓋に木霊しはじめるようなことも、皆経験しているのである。それほどまでに、最近は炒飯をメニューに入れないラーメン屋が増えているし、そのことに強い憤りを感じている人は自分だけではないはずだと、つとに感じるのである。

夕刻に同僚から誘われニュータンタンメンに来たにもかかわらず炒飯を頼むことになったのは、昼に川崎駅構内でラーメンを啜ってきた故である。そのおかげで心から味わう気持ちで炒飯を堪能することができた。甘い脂の香りが一粒一粒のコメにしっかりまとわりついた熱い一皿だった。