無限坂心中

渋谷 | 道玄坂 百軒店商店街 » 0_ムルギー

 

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大人になって面白いことの一つに、少年~学生時代に触れた漫画や小説や音楽などに出てきた実在の場所を訪ねて感慨に耽るというのがあると思う。ここのカレーは大槻ケンヂのエッセイを読んだ小学五年生のときに知った店のカレーのはずである。20年以上の時を経て想像上にしかなかったカレーは、熱されたスパイスの苦みも深く、大人の懐を推し量るような味わいであった。ゆで卵が不思議なほどに存在感を見せる。口の中にひんやりぺたりと入る白身がルーのオイリーさを中和させ粒立ったごはんの歯ごたえを際立たせる。黄身の匂いがスパイスにマスクされ舌触りと旨味だけが残る。何かの記憶とともに味わって後年思い出すとじんわり来るカレーだと思った。