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(気持ちが)若返り系ランチ

素直に目の前の食べ物を、心から楽しんで食べることができたのは何歳までだっただろうか。ただただ、好物をお腹いっぱい詰め込んだ幼少時代。それは無垢がもたらす幸せであった。

やがて、認識できる世界が広がる。知見があってこそ、より味わい深いものに出会うことももちろん増えたが、ネット上にはびこる見えない他人の評価や、売り手の都合に作り上げられた物語に味覚が左右されてしまうことのほうが、自分は増えているのではないかと反省する。食事は理屈で味わうものではない、そうは思っていても、これが成熟した大人として残りの人生を楽しむために理解すべきわきまえなのかと悶え、今日もスマホの画面をぺたぺたと触るのであった。

そんな自分も、この日時間を忘れて腹に詰め込んだものがあった。そのことに嬉しくなった。徹底して一口大にカットされたハラミが敷き詰められた丼、みっちりと詰め込まれたご飯。いかにも飯が余りそうな予感が訪れる。しかしそれは杞憂で、発酵調味料系の香りが甘酸っぱさとあいまったタレと、香ばしく焼かれた肉の力を知る。いくら食べ進めても肉が足りないと感じさせない。それどころか硬めの白飯が、タレの味わいで野菜のように軽やかなのだった。幸せに、ひたすら目の前の肉と飯を胃に詰め込んだ。

白飯だけで450g以上はあっただろう。米だけでカロリーにして700kcalはあるに違いない。肉も含めると、今の自分には完全にトゥーマッチの熱量だ。しかし後悔はない。食事は理屈で味わうものではないのだから。

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焼肉丼 十番

三ノ宮店-おしながき|神戸市中央区にある焼肉丼・焼肉定食の専門店、十番。