空きっ腹に海苔

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繰り返す無いものねだり

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10ウン年振りに炭火をおさらいしようと七輪に向かい合うこと数週間。改めて炭の楽しさを味わった。それにしても火起こしから逆算すると、家庭用の少量でも一時間弱は前もって準備が必要だから空腹には堪える。

着火の問題をクリアしても、焼いている間の煙がまた面倒であった。脂身のついた豚バラや鶏のもも、イワシのような脂の多い魚は、焼く途中で煙の多さに断念した。なにげに玄関を出て外の排気口を見たら、怖くて隣近所と顔を合わせたくないくらいの量が吐き出されていたので音を立てないように玄関を閉めた。

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それでも炭がよかったのだ。焼いている間に刻々と変化する火加減をちょこまかと調整し、煙や火がなるべく出過ぎないように様子を眺めているのは楽しい。マニュアル車に乗るような気分に近い。そして何よりその炭ならでは香りとドライな焼き上がりが好きである。特に香りに限っては電気ガスでは事足りない。炭の匂いが付けられる食品香料はあるけれども。

今回使ったのはいわゆる「オガ炭」木くずを押し固めて作られる成型炭というもの。対して、備長炭などといわれる木の形をそのまま残したタイプの炭もあるがこちらは高級品である。そんな高級品がオガ炭と何が違うのかちょっと調べてみると、どうやらピーク時の火力が強いのと炭の香りがあまり付かないことがよいらしい。

確かに焼き物をするのに木炭しか熱源がなかった時代は何を焼いてもその香りがつくわけだから、逆にあの香りが付かないことのほうが純粋に料理を味わえるという意味で付加価値だったのかもしれない。しかも火力が強いほうがいいのであれば、ガスや電気が取って代わるのは無理もないことである。それが今や炭の香りを楽しみたくて火起こしや火加減の不便を取るという、一周回って無駄が無駄でなくなる感じが楽しい気がする。